にしん御殿 小樽貴賓館(旧青山別邸)
所要時間:1時間
料金の目安:1,300円
にしん漁で富を築いた青山家の別邸として使用されていた旧青山別邸は、国の登録有形文化財に指定されている大正時代に建築された歴史的建築物です。
この旧青山別邸は、にしん御殿としても知られ、小樽貴賓館という名称で親しまれています。
また、アニメ・マンガ共に話題になっている、北海道を舞台した「ゴールデンカムイ」にも登場しています。
ニシンのゴールドラッシュ
小樽沖では大量のニシンが獲れ、このニシンにより小樽は大きく発展していきました。
1868年頃は1000人強の人口が、1897年には6万人まで増加しています。
その後、1920年に行われた第1回国勢調査では、小樽の人口は全国13位にもなっています。
現在の小樽を象徴するような日本銀行旧小樽支店や倉庫など建物が建てられたのもこの時期です。
この時期は、ニシンにより大きく発展したため「ニシンのゴールドラッシュ」と呼ばれています。
なぜニシンで富が築けた?
ニシンといえば、寿司のネタやにしんそばなど食べることをイメージすると思います。
ニシンは、食材としてではなく、鰊粕というニシンを原料にした肥料や灯火用の油にされていたようです。
ニシン肥料は干鱈や干鰯と比べて良質な肥料で、綿花、藍などの肥料に適していたため高値で取引されていました。
総工費約30億円の大豪邸
小樽貴賓館は6年半の歳月をかけて、現在の価値にして総工費約30億円にもなる大豪邸です。
貴重な日本の工芸品が今でも敷地内に展示されています。
材料は酒田より欅を大量に運ばせました。 積雪の多い北海道では珍しい瓦葺き屋根、軒下はすべて手彫りによる彫刻が施されました。 また、床や柱は欅の春慶塗り、漆くい壁、神代杉の幅広天井、うぐいす張りの廊下、端から端まで継ぎ目のない一本物の長押し。 紫檀、黒檀、タガヤサン、白檀を使った書院づくりの床の間。 ふすまの引き手は七宝焼(当時は宝石と同価値)。 欄間は、竹、紫檀、白檀に彫刻が施されている。 建物の三方に庭があり、家族だけが見るために造った池泉庭、松と石を組み合わせた、趣深い枯山水の中庭など数え上げるときりがありません。
にしん御殿とは 小樽貴賓館
また、狩野派の流れを汲む日本画の絵師たちが競って描いたふすま絵、書も見事なものです。
建物だけではなく、季節の花々が咲き誇る庭園も見どころのひとつです。
4月下旬〜5月下旬 | 桜 梅 つつじ 満天星(どうだんつつじ) |
5月下旬〜6月 | 牡丹 芍薬(しゃくやく) |
6月 | 琉球つつじ 皐月つつじ 石楠花(しゃくなげ) |
6月下旬〜8月中旬 | 百合 木槿(むくげ) 紫陽花(あじさい) |
10月 | 紅枝垂(べにしだれ)紅葉 秋明(しゅうめい)菊 ほうずき |
12月上旬〜翌年2月 | 冬囲い 雪吊り |
にしん御殿 小樽貴賓館・旧青山別邸